bunnah
創作曲のできるまで
「ブンナ」を創る

第16回 作曲者から見た「ブンナの冒険」  

根岸圭さん。
皆様お元気でお過ごしでしょうか? 私は元気にバイトしています。
音楽全般からは遠ざかってしまっていますが、毎日とても楽しく過ごしておりますッ!!
って、なによそれ?

既に仕上がった曲がほぼ原作どおりの歌詞だったのに、これはテキストの言葉はそのままにTERRAが再構成してあります
歌う方が直接関わったテキストに曲をつけるというのは、
作曲するほうも力が入ります。

再構成された歌詞には、原作を読んだ皆さんの解釈や気持ちが
こもっているからです。

この曲、やはり行進曲ですか?
芸術的な意味で「行進曲」。
いわゆる実用的な行進曲とは違うので、
行進しながら合唱団が歌うことは無理です。
ブンナがリズムに合わせて動くことは可能かなと思いました。

ただ、私の頭の中では、もっと速いテンポだったんですよ、この曲。
そのテンポだったら歩けたかも…

でも初演を聴かせていただいて、
速く歌って歌詞が意味不明でも困ったかな、と
考え直しました。

この曲のリズムに合唱団は苦戦しました。初演を聴いた感想は?
正直なところ、つんのめっちゃいました(笑)

楽譜の表記に振り回されずリズムに乗れればよかったんですけど。
巧くリズムに乗れる人が手本を示して、
それを皆さんでマネすれば、出来たかしら。

リズムは身体で憶えるもので、目で追うのは遠回りです。
最近のポップスの複雑なリズムを若い人は耳で憶えてしまいますね。
楽譜だと一大事ですが。

初演を聴いて他に印象に残ったことは?
ブンナが木に登っていく部分の表現、皆さんの演技がとても素敵で
そのときの皆さんの表情や視線を、
今でも私は思い浮かべることができます。

白状してしまいますと、あの部分は
10年ほど前に書いた習作のピアノ・パートから取り出して、
そのまま第1曲の終わりに付け加えてしまったんですぅ。
そんな次第で、少々心許ない部分だったのですが
見事に表現していただきました。

本来あるべきメロディ(主旋律はホルンだったんですけど)
その欠落を「動き」で補ってくだすったので、
実体のある音楽になりました。
作曲者にとっても、身体表現の採用は、「クリーン・ヒット」。

ところで、音楽から遠ざかってるって…?
バイト掛け持ちで忙しくて、ここ1ヶ月ほどピアノにさわってないッス。
バイトはディズニーランドの近所で接客業と、上野の芸大美術館で、これまた
接客業です。ふふふ。

大学院の準備どころではなく、
作曲するヒマがあったらピアノの練習したいくらい。
東京藝術大学作曲科卒業しても「普通の」バイトしてる人は大勢いて、
むしろ普通。
ここ強調しといてくださいネ。

と、なんだか怪しい根岸圭さん!!でした。
いったい浦安あたりで何やってんでしょうねー…




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