雑誌「ハーモニー」のこと 投稿者:ヒデキ 投稿日:2025/02/19(Wed) 21:16 No.5639 雑誌「ハーモニー」の活用に関して、テラでは毎年この時期にちょっとした話題になる。基本的には購読した人が読んで参考にすれば良いのだが、HP掲示板への話題提供も兼ねて、「ハーモニー」の特に最近号での参考おすすめ記事など、少し紹介を試みたい。
「ハーモニー」は全日本合唱連盟の機関誌なので、全日本合唱コンクールの結果とか課題曲などの話題、全日本や県の合唱連盟主催のイベントの記事が多い。コンクール課題曲公募から始まった朝日作曲賞やその佳作入選作品の楽譜紹介など、興味深い記事もけっこうある。しかしながら、内容的に当事者感をもって楽しめる記事が、特に私どもの団の場合などでは限られてしまうというのも正直なところだ。ただ、以下に述べるように参考になる記事も少なからず、あると思う。
「本当はこういう意味の音楽用語」という興味ぶかい連載記事が長く続いていたが、45回をもって2024春号で終了してしまった。この連載を全部集めて改めて読んだら面白いかも。過去の連載記事では、ボイトレ・発声に関するもの、作曲家による合唱講座など、興味深いものも数多く掲載されていた。また、2024秋号からは「体験的合唱団マネージメント」という新しい趣向の連載も始まっている。
単発の特集記事では、2023秋号に「コロナ禍と合唱」という記事があった。今これを再読したら有益かも知れない。同じ号には、過去に演奏会候補曲としても話題に上がっていた古関裕而作曲「長崎の鐘」に関する記事、2024秋号には合唱指揮者栗山文昭先生×指揮者広上淳一氏による「合唱をより高い芸術にするために〜今、共にできること〜」との対談記事、2024春号には「生誕100年今改めて想う大中恩作品の魅力」という新実徳英氏らによる対談記事など、興味があれば読み応えのある記事が多くある。
ところで話は飛ぶが、昨年末のNHK−FMで詩人谷川俊太郎さんが作詩した合唱曲を特集した追悼番組があり、上白石萌音さんの司会で放送されたのを聴いた。NHK学校音楽コンクールの課題曲として多くの詩に作曲され広く歌われたためであるが、谷川さんの詩に作曲された合唱曲は本当に多いし、素敵なものが多い。余談だが、ヒデキも二十代のころ上記の課題曲公募に応募した時に谷川さんの詩に作曲した。谷川さんには詩の朗読とかパフォーマンス、作曲者との対談などでお話をされた録音がかなり多くあり、番組の中でもたくさん紹介されていた。肉声のお話がたいへん素敵で、作品もかず多く紹介され、よい番組だと思った。司会も良かった。もし団員で録音を聴かれたい方がいたら、個人的に録音してあるのでお聴かせします。
作曲家の鈴木輝昭先生という方がおり(ヒデキにとっては尊敬する師的な方です)、NHKコンクール課題曲に限らず谷川さん作詩に多く作曲されているのだが、上記の番組ではお話が出てこなくて、惜しいなと思っていた。その後「ハーモニー」2025冬号を読んでいると、訃報のコーナーに『詩人谷川俊太郎さんが旅立たれました。全日本合唱連盟では2011年の「第21回コーラスワークショップinしまね」における作曲家鈴木輝昭さんとの対談「詩と音楽」の講座採録(本誌No.157掲載)をウェブサイトで無料公開中です(3月末まで)。』とあった。さっそくパソコンで全日本合唱連盟HPを探し読んでみた。詩と音楽についてたいへん示唆に富む素晴らしい記事であり、3月末まで無料で閲覧できるので、もし興味があればお読みいただけると良いと思います(スマホではうまく見られないようです。記事を再読していろいろなことを考えたが、僕が特に思ったことをあえて一言で言えば、聴く、耳をすますことのたいせつさ、かな)。
上記の谷川さんの記事のちょうど上のあたりには、東京混声合唱団桂冠指揮者の田中信昭先生の訃報記事、その2ページ前には1ページをさいて「言葉の意味で歌って」との東京混声合唱団事務局長による追悼記事があり、これもたいへん参考になった。最近の訃報記事では2024冬号に新実徳英氏による作曲家西村朗氏(N響アワーやNHK−FM「現代の音楽」の司会者だった、合唱曲も多く洗練された作風)の追悼記事が載っていた。
以上、大雑把な紹介で、話も飛んでしまい恐縮です。何らかの参考あるいは話題提供になれば幸いです。
|