メンバーファイル54

平成14年9月20日(金):テナー、プン&TERRA辞典(17)
む:
 今回は、私と同じ京都の大学を卒業。と聞いて、歳はこれでもか!というほど違うのに、なぜか親しみを感じてしまう新人(と呼んでいいのでしょうか?)プンちゃんです。私の入学直後、関西で箸にも棒にもお玉にも、はたまたザルにもかからなかった我が京都産業グリークラブは、同志社、立命、大谷、龍谷といった、当時有名だった合唱団を参考にしようと見学にまわったものです。プンちゃんも大学で合唱をしていたと聞いていますが、合唱をはじめたのは大学からなんですか?
プン:
 まともに「合唱やっているよ」といえるのは、おそらく大学からでしょうね。中学時に合唱部に入ったのがスタートといえるかもしれませんが、授業の一環でしたから。とはいっても、その中学時に「ベートーベン交響曲第九番」を歌いました。当時はベースでしたけど。
む:
 中学から本格的じゃないですか!それでどんなきっかけで(音楽)合唱に興味を持ったと思いますか? また合唱のどんなところに惹かれているんでしょうね?
プン:
 母が音楽が好きで、子守り時にグレープやチェリッシュなどの フォークソングを聞かせてくれたと聞いています。それ以来、気がつけば音楽に浸かっていました。今でも「思い出のメロディ」や「フォーク大全集」などの番組は好きです。反対に、最近の若い人の聞くような曲は、正直言って苦手です。突拍子も無いコード進行に違和感を覚えます。
む:
 っておやじですか? という私も最近の歌にはついていけません。
プン:
 合唱は・・・人間の魂が「息吹として」感じられるところが魅力ですね。人間の感情が音楽と言葉とであらわされるところなどは、その曲について何も知らなくても、つい涙が流れるということがありますね。と、偉そうなことを言いましたが、音楽が「祈り」と「ダンス」から発生したことを考えると自然かもね。
む:
 「人間の魂の息吹」ね。なるほど、同じこと言っていると思いますが「大勢の人から発せられたひとつの意思」で歌われると私はもうメ〜ロメロです。大学は仏教系ですがどんな理由で選んだんですか?
プン:
 僧侶になりたくて、というわけではないです。非常に不純なのですが、関西で歴史学(専門は奈良時代の「正倉院」)を研究したかったからです。歴史学は考古学と違って文献をあさっていくのがそのメインですが、ぼくはどうしても関西で(正倉院の)研究がしたかったのです。奈良の大学でなく京都の大学へ行ったのも含め、すべては「ご縁」だと思います。
む:
 ほー。正倉院。私は興味が薄いんですが、素人でもこれは面白いと思えることを教えてください。
プン:
 そうですねぇ。みなさんも写真なんかで正倉院を見たことがあるでしょ。実はあの正倉院、なんと高さが14メートル以上、高床の足なんかは2メートルを越えるんです。正倉院といえば三角木材の「校倉造」で有名ですが、実は校倉よりも効果的に文物を後世に伝えたのは、この2メートルを越える「高床」なんです。静岡には登呂遺跡がありますが、まさにあの高床式倉庫と同じ原理なんですね。高湿度の日本ならではの伝統だったんです。14メートルもの高さの正倉院の前に立つと、1200年以上前にもここに人が立ち、同じように蔵を見上げ、そして唐やペルシアの文物を見、触れたのだ・・・という壮大な想いに心奪われます。蔵の中には入れませんが、ぜひとも奈良公園に行かれた際には立ち寄ってみてください。大きいのは大仏殿だけではないんですよ。
む:
 良く教科書で見ましたよ。ところで音楽は学校で学んでいたんでしょうか?
プン:
 大学で音楽の授業はないのですが、大学合唱団で「勤行」に参加して声明(しょうみょう)に触れたことはとてもいい経験でした。また仏教讃歌もいろいろ歌いました。多田武彦先生や清水脩先生もいろいろ作曲されているんですよ。テラに初めてお邪魔した時、お寺の記念大会のために「みほとけは」を練習されていて、びっくりやらうれしいやら。
む:
 こう言っては失礼ですが、あんなにきれいな歌があるなんて、思っても見ませんでした。合唱の勉強は、いろいろされたと思いますが?
プン:
 個人的に(レッスンを受けていたわけではないのですが)仲良くなった芸大、音大の先生や、プロの芸術家にいろいろと接する機会を得て、演奏会や講習会に多く参加させていただいたことが勉強といえば勉強ですね。
む:
 私も大学時代、指揮者が偉い先生を連れて来るんです。勉強になりましたね。最も印象の強かったのは、すらっとした背の高い、足も長ければ、手も長く、指揮を振ると風を感じるくらい、もう今はなくなられた福永陽一郎先生ですかね。私たちの合唱に何かを感じてくださったのは、先生だけでした。それが私たちを全国大会に導くにひとつのきっかけだったと思います。話は戻して、テラの他にもいろいろなサークルに入っているようですね?
プン:
 今は浜松とTERRA、とりあえず合唱団は2つ。でもここに遠距離団員 としてや、賛助(B級エキストラ)を含めると、結構多いかなぁ・・・。どれどれ、数えてみると・・合唱のステージは・・・年内はあと8つですね。何とかの横好きです。京都に行ったり香川に行ったり、歌がメインか観光がメインかわかりませんが。
む:
 ひょえ〜〜〜〜〜〜〜〜。本当に好きなんですね。私も一時「レンタルテナー」と呼ばれても不思議でない時期がありまして、それでも5つですよ。実際それ以降もそれ以前もメインの活動は1つにしようとしています。今はテラですね。
プン:
 京都にいた頃の12月は、1日2公演(別団体ですよ)で月10本なんて珍しくなかったです。それに比べると楽になりました。まぁ体力がなくなったからそれにあわせてだんだん落ち着いてきました。あと、「車温会」に所属しています。ぼくは車を持っていませんが、車を持っている人と温泉に向かうという、なんとも若者らしくない会です。
む:
 とんでもなく忙しいですよね。歌で・・・。それにしても温泉ですか?またこれもプンちゃんらしい趣味ですね。チェロを弾いているようですが、昔から弾いていたんですか?
プン:
 いえ、まだはじめて半年も経ちません。曲を弾く、というよりも、弦をこするといったほうが現状に近いですね。いつかはグリーンスリーブスを情感込めて弾きたいのですが、まだ当分先のことです。前から楽器をやりたい!と思っていました。エレクトーンをならっていた時聴音が苦痛になりサボっているのをみつかって怒られた苦い経験があるのですが、合唱をやっていると、楽器、やりたくなりませんか「む」さん?
む:
 私は歌ですね。楽器は実は弾きたくて習っていたものがあるんです・・・・・・エレクトーン。実際1年間習っていました。そのうちにコンサートやろう!という話になってしまって、私には、そんな意思がなかったので、気持ちが離れてしまい、いつのまにか行かなくなってしまいました。ちょっと後悔はしてますけどね。プンちゃんへの質問に戻って、テラへのキッカケは今回の男声合唱の夕べだと記憶していますが、この歌(藁科)はこれまでにも歌ったことがあるのでしょうか?(注:男声合唱組曲「藁科」=中勘助作詞・多田武彦作曲)
プン:
 聴いたことはありますが、正式に歌うのは初めてです。本格的に男声合唱に取り組むのは、実は初めてなので、練習ごとに学ぶことばかりです。タダタケ節は一度はまってしまうと、そうそう抜けられるものではないですね。ばっちり和音がはまると背筋があわだちます。(注:タダタケ=先般、掲示板で話題になった言葉。多田武彦先生のこと)
む:
 男声合唱は初めて!?男声合唱の経験はなかったんですか?(私にはまだ女声合唱の経験はありませんが・・。失笑)
プン:
 グリー所属歴は完無なのに、何故かグリー譜(ブリーフの間違いではありません念のため)が積まれた中で生活しています(注:グリー譜=男声合唱の楽譜)。歌えなくてもグリー譜やCDなどもっている人もいるんじゃないですか。ねえミチルさん?
ミチル:
 はい!はい!その通りでーす!多少不純な動機ながら(私にグリーの存在を教えてくれた先輩がカッコよかった…)『グリークラブアルバム』(CD)欲しさに難波のYAMAHAまでわざわざ足繁く通いましたともさ。奈良にゃなかったのよ、その頃は。今でもプンちゃんから関西学院やら同志社やらのCDを借りて「ほぅ…♪」とため息をついてます。
む:
 そういえば、ミチルちゃんは男声合唱のファンだったね。プンちゃんは、仕事はどんなことを?テラの活動に支障ありますか?
プン:
 仕事は事務器屋、印刷屋です。ぼくはパソコンで印刷物のデザイン(レイアウト担当)をしています。仕事は、ほぼ定時(17時)に終わるので、練習スタートまで時間をどのように過ごすか、毎週難儀しています。皆さんとは違う意味で「支障」かもしれません。
む:
 そんな時は南荘家で暇つぶしましょう。音楽の他にはどんな趣味を持っている?
プン:
 旅行です。とはいっても、いわゆる「観光」ではなくて、行き当たりばったりで途中下車をして、下車した町の商店街や家並みをぷらぷらするのが好きです。またその旅行の時に使う鉄道が好きなんです。いつかは鉄道で日本1週してみたいですね。日の沈む日本海をトワイライトエクスプレスで眺める、あ〜いいですね。いつか実現させたいです。
む:
 ボクちゃんにこの話したら喜びますよ。彼も大の鉄道ファンで、JRに入った人ですから。
プン:
 あと、落語・漫才・マジックなどの寄席演芸に行くのが、大好きです。大阪や東京へ用事があると、ついつい演芸場に足が向いてしまいます。もひとつ、甘党なので、和洋問わず、おいしいケーキ屋さんやお菓子屋さん探しをしています。みなさん、どこかおいしいものがあったら教えてください。あ、おいしいケーキバイキングなども、行ってみたいですねぇ。
む:
 皆さん!特に甘党の方!彼に、おいしい店教えてあげてください。お願いします。プンちゃんの現在のマイブームは何?
プン:
 不思議な感じがするかもしれませんが「節約」です。もちろん実生活として節約もせなアカンのですが、ただ単にお金を出すのではなく、これは正当な代価だろうか、とか、これはこうした方がおトクではないか、ということを考えるのが楽しいです。もやしを自分で栽培(?)したり、時間のあるときは新幹線を「ぷらっとこだま」のチケットにしたり全行程在来線にしたり。でも、心までひもじくはなりたくないですね。
む:
 そうですね、「貧すれば鈍す」にならないように。これからテラでどんなことをしたい?またはしてほしいですか?
プン:
 まだまだテラ初心者なのでどうこう言えませんが、いい意味で「何でも屋」であってほしいと思います。活動分野を狭く限定せず、オペラでも合唱でも演劇でも、舞台だろうが街かどだろうがティーサロンだろうが、どこでも精力的に活動していきたいですね。また、個人的には、鈴木憲夫の合唱曲を取り上げてほしいです。「永訣の朝」「雨ニモ負ケズ」「祈祷天頌」などは特に、曲と詩(詞)があいまって、テラできっといい演奏ができると思いますヨ。
む:
 合唱の幅の広―――――いプンちゃんには、これからもいいアイデア提供待ってますのでよろしくね。それではありがとうございましたー。

プン:
 ところで「む」さんがTERRAに入ったきっかけは?
む:
 もぐっ!むっむっ。ごくん!キルフェボンのブルーベリータルトをのどに詰めるところだったじゃないですか。ビックリした〜もう終わったと思っていたのに。
・・・・そ、その質問はまた今度ということで・・・ねっ。(汗拭、汗拭) 残りのタルトをいただき・・・あっプンちゃんそれは私のケーキ!・・・・あっ皆さん、もう終わりですから。・・待ってー!プンちゃん☆!

本人の顔はイラストで紹介しています。

←プンちゃんです。


テラ出版編
TERRA辞典 [第1版]
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テラの用語を解説する「TERRA辞典」
時には、まじめに、時にはおもしろく解説していきます。

つちのうた・ぽすたあ【土の歌ポスター】[広告] 富士山の麓の、のどかな高原「朝霧高原」の静岡県畜産試験場の敷地内で、第3回演奏会ポスターの撮影を行った。モデル、衣装係、撮影隊(全員がメンバー)が、朝早く出発して、たっぷり一日かけて作り上げたポスター。3人のモデルのあやしげな服装と、「土、それは生命(いのち)そして讃歌(うた)」というキャッチコピーが一体となったポスターはとても評価が高く、テレフォンカードにもなった。

とぅぎゃざそんぐ【together song】[愛唱歌] テラが勝手に作った言葉。合唱を聴いている人も一緒になって楽しめる歌のこと。手拍子、掛け声、歌うといった聴衆参加型が多い。創立当時はかなり重きを置いたジャンル。自分達がどれだけ楽しんで歌えるか、しかも説得力を持たせるために技術も要求される。顔の表情や声、簡単なようで、なかなか難しいのである。ひところ下火になったが、最近また復活の兆しあり。

にこにこずし【にこにこ寿司】[TVCM] テラが出演した、回転寿司のCM。「くるくるまわる〜・くーるくるくる〜・・・」というCMソングは、指揮者の編曲。回転寿司をパクついているおきゃんな女の子の横で、テラメンバーは黒蝶ネクタイ・黒ロングスカートという正装で、すまして歌っている。もうまぼろしとなった、なつかしのCM。

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